通所リハビリテーション(デイケア)

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人体の尊さ

2015年12月1日(火)

――「みなさん、鼻と言えば、高いとか低いとか、格好のことばかりが気になりますが、その構造はとても緻密で、呼吸という生死にかかわる重要な役割を担っています」。

11月11日、講師を招きリレー形式で講義を行う『みんなのきずな講座』で、通所リハビリテーションの利用者様で元耳鼻科医の大島一郎先生に「鼻の仕組みと役割について」、お話しして頂いた。鼻の中の「甲介」という巻貝のような器官によって、実に合理的に、空気は乱れることなく体内に流れる。その構造の秘密をお話しされると、顔の真ん中に付いているのに何も知らなかったのだと気付かされた。

前回「耳の構造と役割について」の講座を行った後、「これで倒れても本望」と冗談で仰っていたが、先生は著しく体調を崩された。腸炎やせん妄に苦しめられ、精神的にも痛手を負い、一時は生活に介助が必要な状態となった。その時の先生を支えたのは、ご自身の強い思いだった。――「また、講義をしたい。今度は鼻や、咽喉について。これは私のライフワークだ」。

そして徐々に調子を取り戻し、一時は休んでいたリハビリも再開された。体を動かすことで、歩行状態も安定し、表情にも力が戻ってきたようだった。「こうありたい自分」を叶えるためのリハビリが始まった。

そして、今回の講座が行われた。30分間、立ったままホワイトボードに字を書き続ける。他利用者様から出た質問にも、すらすらと答えた。最後に「耳鼻咽喉について、いつでも相談に来て下さい。すぐに答えられなかったら調べてきます。私はここにいますから」という言葉に、拍手喝采が送られた。

人体の尊さ

病や離別、生きることはかくも辛い。しかし、私たちの身体は、知らない間に呼吸するのにとても合理的に形成されている。一途に生きようとしている。人体の尊さを、95歳の大島先生が身を以て教えて下さった。